少子高齢化が叫ばれているなか、子どもが独立したことで自宅を売却し、高齢者が賃貸住宅への入居を希望するケースが増えています。また、これまで住んでいたアパートの建て替えとなり、急遽、部屋探しが必要になるケースもあります。
しかしそんなとき、「高齢者だとお部屋を借りにくい」という問題に直面してしまいます。今回は、高齢者が賃貸物件を借りにくい理由と、そんな中でもうまく借りる方法をご紹介します。
高齢者が賃貸物件を借りにくい理由3選
健康面の不安
貸主が一番不安を抱いているのが、入居者の「健康面」です。
高齢者の場合、室内の段差につまずいたり階段から落ちてしまうなど、室内での思わぬ事故での怪我が心配されます。入居時は問題ない状態でも、高齢となると数年後に体調が変化するだろうと危惧されてしまいます。
また、頭を打って重傷となってしまうと、発見が遅れる可能性があります。万が一孤独死となってしまうと、その部屋は「事故物件」となってしまうため、貸主としては大きなリスクを抱えることになってしまいます。
さらに、認知症などの症状がある場合、同じ物件に住む入居者とトラブルを起こしてしまうケースも考えられます。こういった健康面の心配から、高齢者の入居が難しくなっている背景があります。
金銭面の不安
65歳以上の方となると、生活費を年金で補っている方も多いと思います。年金は現役で働いている人と比べると金額も少なく、家賃滞納のリスクも考えられます。特に国民年金だけに加入していた方の場合、十分な家賃を支払えるだけの支給がないケースも多く、家賃帯によっては入居を断られるケースも少なくありません。
もちろん、十分な貯蓄がある(通帳のコピーなどで照明)など、金銭面での不安が無い状況であればこの限りではありません。
保証人の不在
高齢者の場合、連帯保証人を立てることができない(または保証人が高齢すぎる)というケースで断られるケースもあります。
例えば入居希望者が65歳、保証人となる親が85歳というケースでは、近い将来「連帯保証人の方がお亡くなりになるのでは」という懸念があります。入居後に連帯保証人が亡くなってしまった場合、基本的に新たな保証人を用意してもらうことになりますが、「ほかに頼める人がいない」ということでトラブルになるケースがあります。
賃貸借契約の入居者保護の性質上、「新たな保証人が用意できないなら、退去してくれ」と簡単に言うことができないため、最初からそのリスクを取らないという判断をする貸主も多い状況です。
もちろん、現在現役で働いている子供に連帯保証人を頼めるのであれば、この限りではありません。
高齢者の部屋探しにはコツが必要
このように、高齢者の部屋探しにはいくつものハードルがあります。どれも一朝一夕で対策できるようなものではないため、「仲介業者に行ったけど断られた」という方が後を絶ちません。
次回は、そんな高齢者の方でも賃貸物件にスムーズに入居できる方法をご紹介しようと思います。